私たち親子がひとみ幼児教室に通い始めたのは、息子が保育園から幼稚園に移ったばかりの年少の4月です。桐朋学園小学校に魅力を感じ入学させたいと考えたのですが、調べてみるとそう簡単には入れない難関校。夫婦共働きで家にいる時間が短く、祖父母の助けも得られないため、とりあえず細く長くという気持ちで始めました。
その半年前に教室に初めて問い合わせの電話をしました。その時はまだ年少クラスは開講していなかったのですが、後日ひとみ先生から教室案内と共にメッセージが届きました。そこには「子供のことをよく考えている熱心なお母様ですね」というような内容と、春には開講する予定なのでそれまでにしておくことが書いてありました。
ただ一度電話で問い合わせただけなのに、熱のこもった手紙をくださり感動したことを覚えています。
一番驚いたのが「本の読み聞かせを毎日1時間やりましょう。」という一文。息子は本が好きでしたので、毎日読み聞かせはしていましたが、幼稚園入園前の子供に1時間も!?と衝撃を受けました。そんなに長くできるかなという気持ちで始めてみましたが、息子は「もっともっと」といった感じで1時間以上集中して聴いていました。仕事で疲れて帰って1時間本を読むのは正直しんどかったですが、今振り返ると時間のあるこの時期にたくさん本を読んだことで思考力や人の気持ちを理解する力が身に付き、語彙も増えました。そして、長時間の授業にも最後まで集中して取り組める力が身に付きました。
人見知りで初めての場に慣れるまで時間がかかる息子だったので、教室に行くのも最初は嫌がるかなと思っていましたが、親が考えていたより早く慣れて楽しく通っていました。
年少の12月、受験を終えたばかりの年長児の親御さんの体験談を聞かせていただきました。その方々が年長クラスの一年間でこなした課題の多さに驚愕し、時間のない我が家には無理だと感じました。そこまでしなければ合格できないのであれば、残念だけど受験をあきらめるしかないかと落胆していると、ひとみ先生が相談に乗ってくださいました。その時先生が「あなたたちは、あなたたちの受験をすればいいのよ。私がこの子を絶対合格させるから!!」と力強く言ってくださいました。ひとみ先生は1時間ほどお話しただけで、息子と私がどういう人間か的確に見抜かれていました。「絶対合格させる」と発言するには相当の覚悟が必要だと思います。この先生はそれだけの自信と覚悟をもって指導してくださる。信頼してついていこうと決意しました。
年中クラスでは山本先生に大変お世話になりました。授業はとてもわかりやすく、いつも親身になって相談に乗ってくださいました。先生のおかげで年中の間にある程度力をつけることができました。年長クラスになってからもいつも気にかけてくださいました。先生としても母親としても尊敬できる方です。毎週日曜日には父親と公園で思い切り体を動かして遊びました。この頃まで外でたくさん遊んでいたので体力がつき、年長になってからも体操の基本的な動きはすぐにできました。
いよいよ年長クラスになりました。やはり今までとは違い学習内容が一気に難しくなり、量も増えました。授業を見ながら一週間の復習計画を立てました。量はこなせないので理解度が低いものから優先的に、ポイントを押さえて復習しました。間違えた課題はなぜ間違えたのか、問題を聞き取れなかったのか、聞き取れたけど理解できないのか、理解できているけど解き方が分からないのか、息子が何につまずいているのか明らかにし、クリアするまで様々なパターンで繰り返し復習をしました。
5月には桐朋特訓も始まりました。この頃には総合・実践・絵画・桐朋と課題が山積みになっており、朝7時に家を出て夕方6時に帰る生活では復習が追い付かなくなっていました。成績も下降ぎみに・・・。
朝出る前に実践をし、帰宅してからペーパーや絵画・工作。しかし息子も疲れているのでグズるし、頭に入らないし。理解できない課題が増えると復習しなければならない課題が増えてしまい、こなしきれない苛立ちと焦りで悪いサイクルにはまってしまいました。この頃は毎週のようにもう限界だと思っていました。それでも先生や仲間のお母さん達に励まされ、とりあえず来週も教室に行くことを目標に踏ん張りました。桐朋特訓や実践の課題は私も息子と一緒に同じことをやってみました。口で言うのは簡単ですが、やってみると意外と難しいものも多くありました。私自身がやってみたことで、ポイントを把握することができましたし、無責任に息子を「何でできないの!」と責めることもなくなりました。
夏休み、夏期講習が始まりました。私は平日仕事を休めないので、近所に住んでいたお友達のお宅に朝早く預け、一緒に連れて行っていただきました。このお友達のお母さんは嫌な顔ひとつせず、夏期講習だけでなく私が連れていけない時はいつも一緒に息子を連れて行ってくださいました。息子の授業での様子も詳細にノートにとってくださり、いつも丁寧に教えてくれました。他のお母さん達も仕事で行けない私の代わりに息子のことを我が子と同じように見てくださいました。このお母さん達の存在なくして我が家の受験は成立しませんでした。本当に感謝しています。夕方私が教室に顔を出すと、松本先生は「あら、お母さんお帰り」と声をかけてくださり、息子の授業での様子を教えてくださいました。
夏期講習である程度力がついたと思っていましたが、9月に入ると他の子は順調に伸びる中、息子は今一つ伸びませんでした。この時期みんなペーパーをかなりの量やっていました。宿題を持って行くと、息子のペーパーの量はみんなの10分の1程度。もっとやる時間があれば・・・と悔しい気持ちもありましたが、これは初めから分かっていたことだし、我が家は我が家の受験をすればいいと自分に言い聞かせ続けました。最後の一か月は、とにかく悔いのないようにやれるだけのことはやろうと、息子と確認し合いました。直前講習から地方の祖母に上京してもらい、試験本番も連れて行ってもらいました。息子は自分なりに力を出し切って勝負をしてきました。
この受験は本当に必要なのかと何度も考え直しました。本当にしんどくて何度もやめようと思いました。でも受験をしたおかげで息子のことを、自分自身の今までの子育てのことをよく知ることができました。年長クラスの初めに分析表を先生に提出します。子供の性格、家庭の教育方針、家庭の躾等いざ書こうとすると、私自身分かっていないことや曖昧なことがたくさんあることに気付きました。また、先生方は親とは違う視点でも見てくださるので、先生に言われて気付く我が子の一面も多々ありました。受験をしなければこんなに真剣に自分の子供がどのような子なのか知ろうとはしなかったでしょう。なんとなく知っているつもりのまま子育てを続けていたと思います。息子は特に年長になってからは、自分でも合格したいと強く思うようになり、母親に言われるからではなく自分の意思で勉強をしていました。しかし目標達成のためにもう少し努力をするかと思っていましたが、私が思うよりもあと一歩の努力をしない子だということもこの受験を通してわかりました。
そして、ひとみ幼児教室に通ったおかげで一生の友になる仲間たちに出会うことができました。特に年少クラスから共に学んできた仲間は、成長の過程を長い期間お互いに見てきました。順調にきた子は誰もおらず、みんなそれぞれ辛い時期がありました。そのような時はどのお母さんも我が子のことのように共に泣き、辛いことを乗り越えた時には共に喜び合いました。我が子だけでなく、仲間の子供の成長を心からうれしく思いました。悪いことをすれば、我が子と同じように本気で叱りました。この仲間たちは息子にとっても私にとっても、かけがえのない一生の友となりました。そのような関係作りができたのも先生方のお力だと思います。受験は一人ではできません。我が子さえ良ければよいという身勝手な考えでは通用しません。「子は親の鏡」と先生もよくおっしゃいますが、親同士が助け合い相手を思いやる姿を見ていると子供も自然とそうなります。
子供が伸びる時期は一人ひとり違います。息子は早い時期にぐんと伸びたので、年長になってからは緩やかでした。逆に年長の後半、受験直前に驚くほどの伸びをみせた子もたくさんいました。親は当然ですが我が子の成績に一喜一憂し、周りの子が伸びている中で我が子が伸び悩んでいると不安になります。しかし受験本番に焦点を合わせて、先生方が今すべきことを的確にアドバイスしてくださるのでその通りにしていれば大丈夫です。私も分かってはいても焦りと不安が募り何度も弱音を吐きましたが、先生の言葉に救われました。
我が家は年少クラスの時から教室で習ったことの復習しかやっていません。ただその復習は、確実に理解できるまでやるようにしました。ひとみ幼児教室のカリキュラムを確実にこなしていけば、どんな難関校にも対応できる力が身に付きます。時間のない我が家が受験をして結果を出せたのは、このカリキュラムに出会えたからです。
ひとみ幼児教室で2年半学んで身に付いたことは、息子の中で一生、生き続けることでしょう。息子にとってはここがゴールではなく、これからがスタートです。自信に満ちたキラキラと輝いた表情で小学校生活のスタートラインに息子を立たせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。私たちのことを理解してくださり、私たちに合った受験をさせていただいたことに心からお礼申しあげます。ありがとうございました。